file21:新谷梨恵子さん

私の起業STORY 私スタイル file21

私スタイルで起業した女性達。
起業までにはどんなSTORYがあったのでしょうか。
ここにあなたの起業スタイルのヒントがあるかもしれません。


新谷梨恵子さん 農プロデュース リッツ(新潟県)
「子供たちに小千谷やさつまいも、農業の魅力を伝えていきたい」

起業道場で練り上げた事業アイデアと、それをかたちにした店内

高校1年生のときにさつまいもの魅力に出会った新谷梨恵子さんは、さつまいもを使った町おこしを志す。今では農家を助ける「農プロデュース リッツ」や小千谷(新潟県小千谷市)の魅力を伝える「さつまいも農カフェ きらら」を通して新しい農業のかたちを探している。

町おこしは地域全体が、人と人とがつながってやること

Q:農プロデュースとはどのような仕事なのですか。

新谷:農家さんと消費者をつなぐ仕事ですね。今はカフェ、営業代理、6次産業化のプランナー、人材派遣をやっています。これらは一連の流れになっていて、プランナーとして農家さんの悩みを聞き、代理店の仕事につながります。そして、実際に食べてみてもらうためにカフェがあります。また、人材派遣では農業の現場の情報をお客様に届けることができます。

Q:初めからその流れを考えていたのですか。

新谷:農家さんの悩みの1つが売ることで、代わりに私が売る仕事をできないかと思いました。私は農家の嫁になりたくて小千谷に来ました。でも、農家だと思い込んでいた主人は農家ではなくて。それでしばらくは育児をしていたのですが、農業改良普及センターを通じてある農業法人の社長と知り合い、その農業法人に就職しました。もともとさつまいもを使った町おこしをしたくて、そこでさつまいもプリンを開発しました。さつまいもを作って加工して売るという中で、農家さんがこれをやるのは大変だと感じました。これからの農業には売る力が求められますが、自分たちでやるのは難しいです。そのお手伝いを農業法人の中で私が一人でやっていても、一企業の発展だけになってしまう。それでは地域の発展にはならないなと、そう思ったのが起業のきっかけですね。

起業道場で考えつくしたことで不安が自信に変わった

Q:そこから起業の準備が始まるのですね。

新谷:農業法人を辞めた時にはまだ独立する気はそれほどなかったです。ただ、周りは辞めるイコール独立と考えたようで、NICO(にいがた産業創造機構)さんからも起業道場を紹介いただいて、それで行くことにしました。起業道場では一度自分をゼロにして、それで私には何ができるのだろうということころを徹底的に考えました。

Q:起業道場ではどのようなことをされたのですか。

西條:起業道場では毎回課題があり、講師が添削をします。1回目からコンセプト、売り方、お金、広報というカリキュラムで、最終回にプレゼンをするという構成です。最終回のプレゼンは、最初に参加者がグループに分かれてグループ内でプレゼンを行い、その後、各グループの代表者が全員の前でプレゼンをするという流れです。新谷さんのグループでは、新谷さんが発表をされました。

新谷:その時は頭が真っ白になったのを覚えています。今までやってきたことは話せても、これからやろうってことは、自信がなくて話せなくなってしまって。あたかもやっているように宣伝することはなんて難しいのだろうと思いました。起業道場では、自分の考えを文字にまとめて考えつくすので、とても勉強になりました。ここで話を聞いたり、自分で考えたことで、不安だったことが少しずつ自信になっていきました。起業道場に行っていたというのは私の強みなのですよ。起業道場でしっかり勉強して準備をしたということが。

やりたい事業の服装でという指定でつなぎ姿で発表

Q:9月に卒業で、オープン予定日は10月13日なのですね。

新谷:これはさつまいもの日なんですよ。雪が降る前にオープンしておかないと人が来ないと思いました。最終的に11月23日になりましたね。起業道場でお金の話も聞いていて、自己資金でできるところまでやろうと考えました。それでお店の準備も自分でやりまして。内装だけはお金をかけようと思っていたので、そこはお願いしましたが、外側の整備や店内の掃除は自分でやりました。そういう準備の話をブログに書いていたら、いろいろな方が助けにきてくれて、全部何とかやりきることができました。やりたいことが明確になってくると、いいスタッフも集まってくれます。

農プロデュースという仕事でこれからの農業界の前例になりたい

Q:今後の展望をお聞かせいただけますか。

新谷:最近は人材育成で自分の仕事が広がっていくと感じています。起業の時は自分のやりたいことをやっていくことが必要と思っていました。そうして自分がやっていたことを誰かにやってもらって、その誰かが広げてくれることで私がやれる幅がまた広がるのですね。小千谷の発展とか町おこしを考えると、自分の想いを継承してくれる人を育てていきたいなと思います。それを表現するのがこのお店なので、小さい子供たちにたくさん来てもらって、どういう思いで私がこのお店をやっているのかを伝えたいなと思います。

小千谷や農業の魅力を伝える最前線で日々接客をしている

Q:2年間の手ごたえはいかがですか。

新谷:やっとスタートラインに立ったと思っています。農業や食をプロデュースする人が必要と言い続けても、実際にやってみないと分からない。それをこの2年でやっと認めてもらったという気持ちが強いです。農プロデュースってこういうものだよって人に伝えられて、農業に興味のある人たちに認知してもらえれば、農家さんを助けるということが広がるんじゃないかと思いますね。これからの農業界にはこんなかたちもあるんだよと、新しいモデルケースを作って、前例になっていきたいと思います。

新谷梨恵子氏と起業応援サポーター 特定非営利活動法人ワーキングウイメンズアソシエーションの西條和佳子氏

(起業応援サポーターリンク:特定非営利活動法人ワーキングウイメンズアソシエーション)

女性起業家プロフィール

農プロデュース リッツ
プロフィール
会社名:農プロデュース リッツ
代表者:新谷梨恵子代表
住所:新潟県小千谷市桜町2495-1(さつまいも農カフェ きらら)
電話:0258-94-5995
業種:農プロデュース
Website:http://blog.goo.ne.jp/ritz5323

起業応援サポータープロフィール

特定非営利活動法人ワーキングウイメンズアソシエーション
住所:新潟県新潟市西区平島1丁目16番地5
電話:025-233-5983
Website:http://www.wwa-n.com
E-MAIL:wwa-admin@wwa-n.com

取材・文・撮影/ 霜田 亮(中小企業診断士、弁理士、社会保険労務士)

1981年生まれ。同志社大学法学部退学。大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了。2016年4月独立開業。弁理士として多くの技術を見てきた経験を活かした製造業の支援が得意。「技術力を経営力に変えるお手伝い」をモットーに、事業計画作成や資金調達など多岐にわたって企業のサポートをしている。