file08:佐久間矩子さん

私の起業STORY 私スタイル file08

私スタイルで起業した女性達。
起業までにはどんなSTORYがあったのでしょうか。
ここにあなたの起業スタイルのヒントがあるかもしれません。


佐久間矩子さん Natural sweets Toitoi(神奈川県)
「夢は農家レストラン経営~本当に良いものを知ってもらいたい」

支援センターでのイベント出店にて

自然食志向のお母さまに育てられ、小さい頃から食に関心があったという佐久間矩子さん。
短大卒業後、軽い気持ちで農業の世界に飛び込み、その奥深さを知り、将来の進むべき道を考えることになった。「頑張っている農家さんを応援したい」「良質な素材のおいしさを多くの方に知っていただきたい」「国産素材を食べる大切さを多くの方に知っていただきたい」という想いで、農家スイーツ専門店 Natural sweets Toitoi を神奈川県で起業。

顔の見える農家さんから材料を仕入れて作り上げるナチュラルスイーツ

Q:起業したきっかけを教えてください。

佐久間:子供のころから食に関心があったので、5年ほど北海道の農家にいたのですが、農業はとても奥が深いものでした。農家を継ぐ人がいなかったり、オーガニックと世間で取り沙汰されている割には、実際は農薬が多く使われていたりとか、農業に関わることで、日本の農業が抱える問題が見えてきたんです。生産者側から見ることで、消費者の意識も低いのではないかと感じました。何か私でできることはないかと考えて、農家の良い食材を知ってもらいたい、農家と消費者の橋渡し的な役割をやりたいと思うようになりました。そしてまずは最初の一歩として、有機農法や自然栽培などの農法で作られた、こだわりの果物や野菜を使ってお菓子を作ろうと考えました。

Q:起業までの準備にはどのくらい時間がかかりましたか?

佐久間:事業をやりたいと思ってから、起業までに3年くらいです。北海道に住んでいる頃からお菓子を販売していたので、ビジョンは固まっていました。事業を起こすには、まずは商品を作り、技術を学ばないといけないと考えたので、ひたすら試作を繰り返し、いろんな人に食べてもらって率直な意見を聞きました。オーガニックショップでも働きましたし、料理教室で勉強もしました。また、地道にイベント出店の経験を重ねました。当時は収入を得るというよりも、経験を積むことと、ファンを作るのが一番の目的でした。

マフィンのなかには「女性起業家たまご塾」 同期生の女性起業家と共同開発したものもある

食にこだわりのある人に知ってもらうことがポイント

Q:女性起業UPルーム*1ではどんな相談をしましたか?

佐久間:はじめは、自分のやりたいことを伝え、工房を持ちたいことや開業資金のことなどを相談しました。その時に、「女性起業家たまご塾」*2を紹介されて受講したのですが、そこには起業を目指す多くの方がいらっしゃって、とても刺激になりました。先輩や同期生の経験を紹介してもらえて、考え方も拡がりましたし、何より励みになりました。

吉枝:佐久間さんの場合、事業スタートには保健所の許可を得た工房が必要だったので、初めは時間で借りられるレンタルキッチンをご紹介しました。トイトイを知ってもらい、ファンを作るための販売イベント出店される時は女性起業UPルームのサイトで紹介したり、起業フェアなどに出店してもらいました。販促支援としてブログの立ち上げやネットショップ立ち上げのアドバイスもしました。イベントに来店してくれたお客さんには、次のご利用につながるようにブログやネットショップをご案内するなど、リアルとネットをうまく活用するスタイルを提案しました。また、食にこだわりのある人が見つけてくれるように、「砂糖不使用」「乳製品不使用」「バター不使用」といった、検索キーワードを意識した対策により、検索でも見つけてもらえるネットショップにしましたね。

佐久間:工房がないとイベント出店もできないので、女性起業家向けのイベントに出られるのは、とてもありがたかったです。女性起業家たまご塾では起業していない段階でいろんな人に会えるチャンスを得られてよかったです。

ライフスタイルの変化にあわせて事業も変化させていきたいです

Q:どのように事業を成長させていきたいですか?

佐久間:現在は売上の7割がイベント出店で、残り3割が通販と卸の売上です。これからは比較的時間が自由になる通販をメインにして、プライベートの生活も大切にできるようにしたいと思っています。家庭ができると子育てや介護などを仕事と両立させていくことになりますから、生活に無理のない範囲でやっていきたいんです。でも、趣味で終わらせるのではなく、事業としてしっかりと大きくしていきたいので、どうやったら上手く両立できるかを常に考えています。5年以内には販売スペース併設の工房に移転したいですし、将来的には自分の畑で作った野菜や知り合いの農家さんから仕入れた野菜を使った料理を出す農家レストランを経営したいと思っています。

吉枝:家庭との両立は起業した女性にも多く出てくる悩みですよね。そんな方には、あまり自分が動かなくても大丈夫なビジネスの方向にシフトすることをアドバイスしています。ネットを活用するノウハウを提供したり、通販による物販の追加やノウハウ販売などへの移行を提案しています。

Q:起業を考えている人に向けてメッセージをお願いします

佐久間:目の前にあることを、一生懸命コツコツやっていくことが大切です。目的が決まったら、一つ一つを着実にやっていくと形になるんだって実感しています。
吉枝:ノウハウばかり追い求めがちな方も多いですが、自分の強みになるところを見つけて、経験を積み重ねることが大切ではないかと思います。佐久間さんは、商品試作も、工房探しも、お客さんや農家さんとのつながりも、一つ一つをコツコツ丁寧に続けてファンを増やしてこられました。時間をかけて培ったものは簡単に真似できるものではありませんよね。地道にコツコツ、とても大切なことだと思います。

*1女性起業UPルーム:男女共同参画センター横浜にある、全国初の官民共同による女性起業支援に特化した支援拠点。女性がITを最大限活用し、起業という選択肢によって経済的に自立できるようになることを目指し、起業準備相談/HP・ブログ相談や起業ステージに応じたセミナーを実施している。
*2「女性起業家たまご塾」:「収益が出る仕組みづくり」「ITを活用した販促」など1年間でプラン固めから開業までをサポートする起業支援の連続講座。

 

佐久間矩子氏と起業応援サポーター 男女共同参画センター横浜 女性起業UPルーム 吉枝ゆき子氏

(起業応援サポーターリンク: 男女共同参画センター横浜 女性起業UPルーム)

女性起業家プロフィール

Natural sweets Toitoi

 プロフィール
会社名:Natural sweets Toitoi
代表者:佐久間矩子代表
業種:自然派スイーツの製造・販売
Website: http://www.natural-toitoi.com

起業応援サポータープロフィール

男女共同参画センター横浜 女性起業UPルーム

住所:神奈川県横浜市戸塚区上倉田町435-1
電話:045-862-4749
Website: http://www.uproom.info/
E-Mail: upnavi@women.city.yokohama.jp

取材・文・撮影/牧口昌代 (中小企業診断士)

大手メーカー勤務後、米系企業の日本法人を経て、責任者として日本企業の株式上場を果たす。以来、ベンチャー企業の上場支援、再生支援、M&A業務に携わる。2008年独立。ハンズオン支援を主とし、現在もスタートアップ企業や老舗ベンチャー企業など複数社の取締役を務める。中小企業診断士。