file05:相馬佐穂さん

私の起業STORY 私スタイル file05

私スタイルで起業した女性達。
起業までにはどんなSTORYがあったのでしょうか。
ここにあなたの起業スタイルのヒントがあるかもしれません。


相馬佐穂さん えすびぃコミュニティデザイン研究所(埼玉県)
「思いの強さが縁をつなぎ、夢を実現させる」

2016年2月、地域のコミュニティデザインを基軸に、障がいをお持ちの方に仕事を作り出していくビジネスを始められた相馬佐穂さん。スタート時から高い目標を掲げ、次々と湧き上がるビジネスアイデアを着実に形にされている彼女と、彼女を見守る吉野アドバイザーからお話を伺いました。

まずやってみる~そこからつながる大切なご縁

Q:起業しようと思ったきっかけを教えてください。

相馬:障がい者の「福祉的就労」はとても給料が安いと知ったのが直接のきっかけです。障がい者が受け取れる金額をもっと上げていくためには、雇用者側に利益のでるような仕事や仕組みが必要ではないかと。それで、福祉施設や障がい者雇用に取り組む企業に、私が開発したビジネスを提供することができないかと考えました。

Q:いつ頃から、どんな準備をなさいましたか?

相馬:まずは情報収集と勉強からですね。開業の2年ほど前から、本を読んだり、ネットで調べることをはじめました。
本格的に動き始めたのは2015年からだと思います。日本財団やヤマト福祉財団などが開催するイベントや講演会に積極的に参加しました。「いい働く場つくり隊」(注1)という活動にも参加し、全国の福祉施設を拝見することもありました。ビジネスは人と人との繋がりから生まれるものが多いので、そこでできた人との繋がりは、自分にとって大きな財産になっています。
また、「女性創業スタートアップ塾」(以下「スタートアップ塾」)に参加し、経営に関することを実践的に学びました。スタートアップ塾では同期の仲間もできましたし、共に切磋琢磨しあうことはもちろんですが、ホームページを作ってもらうなど実務的な部分でも助けてもらっています。

Q:「スタートアップ塾」はどうやって見つけたのですか?

相馬:実は開業前に「ものづくり補助金」を得られないかと銀行に相談に行ったんです。担当の方がとても親身になって話を聞いて下さり、「あなたの話は聞けばよくわかるけれど、書面ではその熱意がなかなか伝わらない。粗削りなところを研ぎ澄ますためにもこういうところで勉強してみたらどう?」と、創業・ベンチャー支援センターのチラシを下さったのです。

Q:開業される前に「ものづくり補助金」の申請をされていたのですか? それはすごいですね!

相馬:「これさえあれば夢へ一歩近づく」と思っていたのです。それに、なんでもやってみなければ結果はわかりませんよね? ダメで元々、少しでも勉強になればと相談に行ってみたのです。結果的に、銀行さんにはご協力をいただけて申請は出せたのですが、補助金は採択されませんでした。でもその時のご縁でスタートアップ塾に講師としていらした吉野先生とも出会う事ができ、今につながったと思っています。

聞いてもらえるから、実行に繋がる

吉野アドバイザー(以下敬称略):相馬さんはスタートアップ塾に来られた時点で補助金申請をされていたくらいですから、開業の手続き等をお教えする必要はありませんでした。私がしたアドバイスといえばCOCOオフィス(注2)をご紹介して、引き続き支援ができることをお伝えしたくらいでしょうか。
相馬:そんなことはありません。創業前から自分のことを全部わかってくれている方に、定期的に面談をしていただき、話を聞いてもらえる。守られているようで、こんなに心強いことはありませんでした。何か困った時に気軽にお話ができるというのは、とてもありがたいことです。
吉野:COCOオフィス入居者には、年2回の定期面談があり、立てた目標と実績を振り返る機会を設けています。相馬さんは6つの目標の内、5つを既に実践されています。その行動力には驚かされており、素晴らしい限りです。
相馬:やっぱりお話をしたからには、きちんとやらないと嘘をついたようになってしまうかなと思うんですよね。

Q:アドバイザーに話を聞いてもらうことが行動に繋がっているのですね。他に役立った支援はありましたか?
相馬:スタートアップ塾のカリキュラムの中でも学ぶことは沢山ありました。例えばSWOT分析なども、本で勉強していた時は読むだけだったのですが、講座の中では実際に手を動かし、文にしていきます。そこで初めて見えてくるもの、気づくことが多くありました。講座の最後に実施するプレゼンの時も、慣れない私は同期の仲間が汗を拭いてくれるくらい緊張していて、うまく話ができなかったのです。でも、その後COCOオフィスに入所し、イベントなどで鍛えられ、人に伝える技術も随分上達したと思っています。

Q:今振り返ってみて、起業に一番必要なものはなんだったと思われますか?
相馬:知識や人間関係、金銭面など準備するべきものはいくつもありますが、本当に必要なのは「思い切り」だと思います。万全の体制になってから、と思っていたらいつまでも先に進むことができなかった。今の自分だって、「万全」には至っていないのかもしれません。
どんな計画でも、先送りしたものは消えてしまいがちですよね。すぐに動くことで結果を出す、その繰り返しが起業前も、起業してからも求められているように感じています。

(注1)障害者があたりまえに働ける「いい働く場」をつくるため、若手リーダーが集まり学び合う勉強会。
(注2)COCOオフィス…埼玉県産業振興公社が運営する、女性起業家のための会員制ワーキングスペース。

 

相馬佐穂氏(右)と起業応援サポーター 創業・ベンチャー支援センター埼玉 女性起業支援ルームCOCOオフィスアドバイザー
吉野 太佳子氏(左)

(起業応援サポーターリンク: 創業・ベンチャー支援センター埼玉)

女性起業家プロフィール

えすびぃコミュニティデザイン研究所

 

プロフィール

屋号:えすびぃコミュニティデザイン研究所

代表者:相馬佐穂

業種:事業開発・マーケット開拓など

Website:http://sbie-cdi.com

起業応援サポータープロフィール

創業・ベンチャー支援センター埼玉

女性起業支援ルームCOCOオフィスアドバイザー
吉野 太佳子

住所:さいたま市中央区上落合2-3-2 新都心ビジネス交流プラザ3

TEL:048-711-2222

FAX:048-857-3921

Website:http://www.saitama-j.or.jp/sogyo/ 

取材・文・撮影/古澤登志美 (中小企業診断)

育児によるブランクを経て、ミニコミ誌作成会社に勤務。進捗管理の中、パソコン等機器のメンテナンスも任されるうち、一般家庭を含むパソコンのユーザーサポートの必要性に気づき2001年に起業。以降、IT系セミナー講師やITを活用した販促支援などにもその守備範囲を広げ、「教える力」×「解決する力」を強みとして、すぐ隣に寄り添うサポートを提供中。中小企業診断士、基本情報技術者、ミラサポ登録専門家。